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農地を相続したら、まず何をすればいい? 最初の3つの手続きと、そのあとの選択肢

土地・相続

農業はしない。
でも、畑が残った。

もりまる

親御さんが亡くなって、実家とは別に「畑」や「田んぼ」が残った。自分は会社勤めで農業をするつもりはないし、そもそも現地に行ったこともない——。私たちのところには、こうしたご相談がとても多く寄せられます。

農地は、ふつうの土地とは少しルールが違います。ただ、最初にやることはそれほど多くありません。この記事では、まず必要になる3つの手続きと、そのあとに選べる道を順番に整理します。「何から手をつければいいのか分からない」という段階の方に向けて書いています。

まず押さえたいのは「3つの期限」

農地を相続したあと、期限が決まっている手続きは主に3つです。どれも「亡くなったことを知った日」からカウントします。

相続を知った日 10か月以内 農業委員会への届出 相続税の申告(かかる場合) 3年以内 相続登記
農地を相続したあとの主な期限(2026年7月時点の制度にもとづくイメージ図)

① 相続登記 —— 3年以内

相続登記とは、法務局にある土地の名義を、亡くなった方から相続する方へ書き換える手続きです。以前は「やってもやらなくてもよい」ものでしたが、2024年4月1日から義務になりました。不動産を相続したことを知った日から3年以内に申請する必要があり、正当な理由なく期限を過ぎると10万円以下の過料の対象になることがあります。

なお、2024年4月1日より前に相続した名義そのままの土地についても、あらためて期限が設けられています。「祖父の代から名義が変わっていない」というケースは決して珍しくないので、心当たりのある方は早めに法務局や司法書士にご相談ください。

② 農業委員会への届出 —— 10か月以内

ここが、ふつうの土地との一番大きな違いです。農地を相続したときは、その農地がある市町村の農業委員会(農地のことを扱う行政の組織です)に届け出る必要があります。農地法という法律の第3条の3で決められているもので、期限は権利を取得したことを知ったときからおおむね10か月以内。届出をしなかったり、うその届出をしたりすると、10万円以下の過料の対象になることがあります。

手続き自体は用紙1枚程度で、費用もかからないのが一般的です。市町村によってはオンラインでの届出にも対応しています。

もりまる
「登記をしたから届出もすんだ」ではありません
①の相続登記(法務局)と、②の農業委員会への届出は、まったく別の手続きです。どちらか一方だけでは足りません。ここを取り違えて、届出だけ何年も抜けていた——というご相談は本当によくあります。「うちはどうだったかな」と思ったら、農地のある市町村の農業委員会に電話で確認するのが確実です。

③ 相続税の申告 —— 10か月以内

相続税がかかる場合の申告期限も、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。農地には評価を抑える仕組みや、農業を続けることを条件にした納税猶予の制度もありますが、条件が細かく、いったん選ぶとあとから変えにくいものもあります。金額の話が絡むところなので、税理士など専門家に相談されることをおすすめします。

手続きのあと、農地には大きく4つの道があります

期限のある手続きが片づいたら、次は「この農地をどうするか」です。選べる道は、おおまかに次の4つです。

  • 自分で耕す——現実的に難しい方が多いですが、家庭菜園程度から始める方もいます
  • 誰かに貸す——農地バンク(農地中間管理機構)を通じて、地域の農家さんに借りてもらう方法があります
  • 農地のまま売る——買い手は農業をする方に限られます。詳しくは「農地は売れない」と言われる本当の理由で書きました
  • 農地以外の使い方を検討する——転用の許可が必要ですが、太陽光・蓄電池の用地や資材置き場など、農業以外の使い道を探る道です

そして、実際にいちばん多いのが「何もしないまま時間が過ぎる」という5つめの状態です。悪いことではありませんが、固定資産税は毎年かかり続けますし、草が伸びれば近隣への影響も出ます。使っていない農地は、条件によっては固定資産税の扱いが変わることもあります(この話は使っていない畑の固定資産税の記事で詳しく書きました)。

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方向性を決めるときに見るポイント

どの道が向いているかは、農地そのものの条件でかなり変わります。ご自身で調べる場合、次の3つを押さえておくと話が早くなります。

  • 青地か、白地か——農業のために守るべき区域(農用地区域)の中にある農地を「青地」、外にあるものを「白地」と呼びます。青地は農業以外の使い方が原則できません。市町村の農政担当窓口で確認できます
  • 場所と道——電柱や電線が近いか、車が入れる道に接しているか。農業以外の使い道を考えるときに効いてきます
  • 広さと形——小さい土地でも使い道が出てきています。数十坪規模でも候補になるケースがあります

「登記簿を見ても意味がわからない」という方が大半です。書類が手元になくても、市町村名と、だいたいの場所が分かれば調べようはあります。

まとめ

農地を相続したら、まずは相続登記(3年以内)農業委員会への届出(10か月以内)。相続税がかかるなら申告(10か月以内)。この3つだけ先に片づけておけば、あとの判断はゆっくり考えて構いません。

そのうえで、「使わないまま持ち続ける」以外の道があることも知っておいていただければと思います。私たちは、農地を含めた土地の活用・買取のご相談を受けています。売ると決めていない段階でも、現地を見たことがない状態でも大丈夫です。

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出典・参考

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