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「農地は売れない」と言われる本当の理由。それでも手放す道はあります

土地・相続

売れないのではなく、
売り方が違うだけかもしれません

もりまる

「相続した畑を売りたくて不動産屋さんに行ったら、うちでは扱えないと言われた」。「ネットに出してみたけれど、半年たっても問い合わせがゼロ」。農地について、こういうお話をよく伺います。

じつは農地が売れにくいのには、気持ちや相場の問題ではなく、制度上のはっきりした理由があります。理由がわかると、どこを変えれば動くのかも見えてきます。この記事では、売れない理由を3つに分けて説明したあと、それでも残っている出口を整理します。

理由① 農地は「誰にでも売れる土地」ではない

いちばん大きな理由がこれです。農地を農地のまま売る場合、買い手は誰でもよいわけではありません。農地法という法律で、農地の売買には農業委員会(農地のことを扱う行政の組織です)の許可が必要と決められていて、その許可の条件に「買った農地をきちんと耕作すること」「必要な農作業に常時従事すること」などが含まれています。

つまり、農地のままで買えるのは、実際に農業をする人が基本になります。「土地が安いから買っておこう」という一般の方には、そもそも売れないのです。街の不動産屋さんが扱いを避けがちなのも、この許可の壁があるためです。

なお、以前は「一定の面積以上をまとめて取得しないと許可されない」という下限面積の条件(都府県で50アールなど)もありましたが、2023年4月1日から撤廃されました。面積のハードルは下がっています。ただし、これはあくまで農業をする目的で取得する場合の話で、「農業をする人であること」という条件そのものが無くなったわけではありません。

理由② 転用できる農地と、できない農地がある

「農業をする人にしか売れないなら、農地をやめて別の使い道にすればいい」——そう考えるのが自然です。これを転用といい、こちらも許可が必要になります。そして、ここで農地は大きく2種類に分かれます。

あなたの農地 白地 (農用地区域の外) 転用できる可能性がある ※それでも許可は必要 青地 (農用地区域の中) 原則、農地以外に使えない まず「農振除外」の相談から
農地は「白地」と「青地」に分かれる(2026年7月時点の制度にもとづくイメージ図)

青地とは、農業のために守っていく区域(農用地区域)の中にある農地のことです。おおむね10年以上は農業に使うべき土地とされていて、農業以外の使い方は原則として認められません。転用したい場合は、まずその区域から外してもらう「農振除外」という手続きが必要で、ここには「ほかに代わりの土地がないこと」など複数の条件があり、時間もかかります。

一方の白地は、区域の外にある農地です。こちらも許可は必要ですが、青地に比べれば道は開けています。ご自身の農地がどちらなのかは、市町村の農政担当の窓口で確認できます。

理由③ 買い手から見て「使いみちが想像できない」

制度の話に加えて、実務的な理由もあります。買い手が現地を見たときに、その土地で何ができるかが思い浮かばないと、話は前に進みません。よくあるのは次のようなケースです。

  • 面積が小さく、農業としてはまとまった作業がしにくい
  • 車が入れる道に接していない、または道が細い
  • まわりが田んぼで、水がまわってくる位置にある
  • 飛び地になっていて、他の農地とつながっていない

ただし、これは「農業に使う」という前提で見たときの話です。前提が変われば、評価も変わります。

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それでも残っている、3つの出口

売れない理由を裏返すと、打てる手が見えてきます。

出口1:貸す(農地バンクを使う)

手放すのではなく、地域の農家さんに借りてもらう方法です。農地バンク(農地中間管理機構)という公的な仕組みが各都道府県にあり、市町村の窓口や農業委員会が相談先になります。持ち続けることにはなりますが、荒れるのを防げますし、貸し付けの条件によっては固定資産税の軽減が受けられる場合もあります。

出口2:農業をする方に、農地のまま売る

近隣で規模を広げたい農家さんがいれば、いちばん自然な形です。地域の農業委員会や農協が間に立ってくれることもあります。まとまった面積で、道や水の条件が良い農地ほど可能性があります。

出口3:農業以外の使い道を前提に、買い手を探す

ここ数年で状況が変わってきたのが、この道です。電気を貯める蓄電池の設備は、10〜20坪ほどの小さな土地でも設置できるようになってきました(この背景は低圧の蓄電池についての記事で書いています)。また、まとまった広さがあり、大きな送電線や変電所が近い土地は、データセンターや大型蓄電池の用地として探されています。

つまり「農業としては条件が悪い土地」が、別の用途では条件を満たすことがあるということです。街の不動産の物差しでは値段がつかなかった土地でも、電気の面から見ると評価が変わる場合があります。

もりまる
ただし、どんな土地でも買えるわけではありません
蓄電池やデータセンターの用地には、電気を送り込める場所が近いことなどの条件があり、対応できるエリアは限られます。住宅が密集している場所や、電気設備との距離が確保できない場所では難しいこともあります。青地の場合は、まず農振除外から検討することになり、時間もかかります。ここで書いた話は「必ず売れます」という意味ではありません。まずは無料の査定でご確認ください。

まとめ

農地が売れにくいのは、①農地のままだと買い手が農業をする方に限られる、②青地は農業以外に使えない、③農業目線だと使いみちが想像しにくい、という3つが重なっているからです。裏を返せば、前提を変えれば動く可能性があるということでもあります。

まだ相続の手続きの途中という方は、農地を相続したら、まず何をすればいい?もあわせてご覧ください。持ち続けた場合の固定資産税についてはこちらの記事で書いています。

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出典・参考

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