← ブログ一覧に戻る

親の土地が、どこに何筆あるか分からない。2026年2月に始まった「一覧で取れる証明書」の使い方

土地・相続

これで、全部?
その確かめ方が増えました。

もりまる

相続のご相談で、いちばん最初に出てくる言葉があります。「そもそも、親がどこに土地を持っていたのか分からないんです」。

仏壇の引き出しから権利証の束が出てきた。固定資産税の納税通知書もある。でも、これで全部なのか、ほかの市町村にもまだあるのか、誰にも分からない——。これまでは、市町村ごとに「名寄帳(なよせちょう)」という一覧を取り寄せて、心当たりのある役所を一つずつあたるしかありませんでした。

2026年2月2日から、この手間を減らすための新しい制度が始まっています。所有不動産記録証明制度といって、ある人が所有者として登記されている不動産を、全国分まとめて一覧にした証明書を出してもらえるものです。

ただし、この証明書は万能ではありません。この記事では、何が取れるのか、何は取れないのか、そして同じ時期に変わった登記の期限を、土地を引き継いだ方の目線で整理します。

「所有不動産記録証明制度」とは、どんな制度か

法務省の説明によれば、この証明書を請求できるのは次の方です。

  • 所有権の登記名義人(法人を含みます)——つまりご本人
  • その相続人その他の一般承継人(法人を含みます)

代理人による請求もできます。亡くなった方の名義で請求できるのが、相続の場面でありがたいところです。

請求先は、全国どの法務局・地方法務局(支局・出張所を含む)でも構いません。書面でもオンラインでも請求でき、書面の場合は郵送での請求もできます。土地が遠方にあっても、お住まいの近くの法務局で手続きができるということです。

手数料は、法務省の案内では次のとおりです。

所有不動産記録証明書の手数料(2026年9月21日確認)
請求のしかた手数料
書面請求(収入印紙で納付)1,600円
オンライン請求・郵送で受け取り1,500円
オンライン請求・窓口で受け取り1,470円

この証明書で「分からないこと」も、先に知っておく

ここが、この制度でいちばん大事なところだと私たちは思っています。法務省自身が、次のような注意書きを出しています。

  • すべてが載るとは限りません。法務省は「氏名・住所等で検索する仕様上、検索結果として抽出される不動産の網羅性には限界があります」と明記しています
  • 登記簿の氏名・住所と、請求時の条件が食い違っていると出てきません。「登記記録上の氏名・住所と検索条件の氏名・住所が異なる場合など」には抽出されないことがある、とされています
  • 他人の不動産が混ざることもあります。「検索条件が一致する同名異人」の不動産が抽出される場合がある、とされています
  • 登記簿がコンピュータ化されていない不動産は出てきません。古い山林などで、まれにあります
  • 1件も見つからなくても、手数料はかかります。その場合は「該当不動産がない旨の証明」が出ますが、手数料は返ってきません
もりまる
「一覧が出た=これで全部」ではないんだ
この証明書は、名前と住所を手がかりに探した結果をまとめたものだよ。だから、登記に書かれている住所が昔のままだったり、名前の字が少し違ったりすると、見つからない土地が残ることがあるんだ。市町村の名寄帳や、権利証・納税通知書と突き合わせて、「合っているかな」と確かめながら使うのがおすすめだよ。

2026年4月から、住所が変わったら2年以内に登記が必要になりました

いま見た「登記の住所が古いと見つからない」という話は、次の制度とつながっています。

2026年4月1日から、住所等変更登記が義務になりました。不動産の所有者は、氏名や住所に変更があったときは、変更日から2年以内に変更の登記を申請する必要があります。正当な理由がないのに怠ると、5万円以下の過料の対象になります。

引っ越しのたびに登記をやり直す、と聞くと大変そうですが、法務局に一度「申出」をしておけば、法務局の側で住所等の変更を確認して登記をしてくれるスマート変更登記という仕組みも用意されています。

そして見落とされがちなのが、施行日より前に住所が変わっていた場合も対象になるという点です。この場合は2028年3月31日までに変更登記をする必要があります。「20年前に引っ越したきり、登記の住所は実家のまま」という方は、ここに当てはまります。

「うちの土地、そもそも使えるんでしょうか」

5つの質問に答えるだけで、あなたの土地の活かし方の方向性がわかります。結果を見るまで、お名前などの入力は必要ありません。

完全無料・約3分・結果まで個人情報不要

相続登記は、2027年3月31日がひとつの区切りです

もうひとつ、期限の話をしておきます。相続登記は2024年4月1日から義務になっていて、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が必要です。正当な理由なく怠った場合、裁判所が10万円以下の範囲で過料を決めることがあります。

そして、義務化より前に相続した不動産も対象です。法務省は「令和6年4月1日より前に相続したことを知った不動産で、相続登記がされていないものについては、令和9年3月31日(2027年3月31日)までに相続登記をする必要があります」としています。この記事を書いている2026年9月から数えると、残りおよそ半年です。

とはいえ、遺産分割の話し合いがまとまらないこともあります。その場合のために、相続人申告登記という簡易な手続きがあります。「自分が登記簿上の所有者の相続人であること」などを期限内(3年以内)に登記官へ申し出れば、義務を果たしたものとして扱われます。特定の相続人が単独で申し出ることもできます。ただし、申出をした相続人についてのみ義務を果たしたとみなされる点には注意が必要です。

なお、農地を相続した場合は、法務局の登記とは別に農業委員会への届出も必要です。こちらは農地を相続したら、まず何をすればいい?で詳しく書きました。

一覧が出たあと——「で、この土地は使えるのか」

証明書が手元に届くと、たいてい次の壁にぶつかります。地番の羅列を見ても、それがどんな土地なのか分からないという壁です。

私たちが土地を見るときは、だいたい次の順番で確かめています。ご自身で調べる場合の参考にしてください。

  • 地目は何か——「田」「畑」なら農地のルールがかかります。「山林」「雑種地」「宅地」では、その後の選択肢がまるで違います
  • どこにあるのか——地番と住所は別物です。市町村名と地番が分かれば、地図の上で場所を追えます
  • 車が入れる道に接しているか——道がない土地は、売るのも使うのも一気に難しくなります
  • 電柱・電線が近いか——太陽光や蓄電池の用地として見る場合、ここが効いてきます
  • 水につかる場所ではないか——ハザードマップは、広さよりも先に見る条件です

現地に行ったことがなくても、書類が全部そろっていなくても、調べようはあります。実際、私たちは土地の精査を1,700件以上重ねてきました。資料だけでは分からない条件があるのも事実ですが、まずは机の上でかなりのところまで絞り込めます。

まとめ

2026年2月2日から、所有不動産記録証明制度で、亡くなった方の名義の不動産を全国分まとめて一覧にできるようになりました。手数料は書面で1,600円、オンラインなら1,500円か1,470円。全国どの法務局でも請求できます。

ただし、法務省自身が「網羅性には限界があります」と書いているとおり、これだけで全部そろうとは限りません。名寄帳や納税通知書と突き合わせて確かめるのが確実です。

あわせて、相続登記は2027年3月31日(義務化前に相続したものの区切り)、住所等変更登記は2028年3月31日(施行前に住所が変わっていた場合の区切り)という期限があります。心当たりのある方は、早めに法務局や司法書士にご相談ください。

そして、一覧が出たあとの「この土地をどうするか」は、私たちの仕事です。売ると決めていない段階でも、現地を見たことがなくても構いません。

一覧に出てきた土地のこと、一度話してみませんか

「売る」と決めていなくても構いません。まずは現状だけお聞かせください。相談は無料、秘密厳守、しつこい営業はいたしません。

お急ぎの方はお電話でも(平日9:00〜18:00) 052-696-7978

出典・参考

制度の内容・期限・手数料は、以下の法務省のページを2026年9月21日に確認しました。

  • この記事は2026年9月時点の情報にもとづく一般的な説明です。請求に必要な書類や窓口の運用は変わることがあります。実際の手続きにあたっては、法務局または司法書士などの専門家にご確認ください。
  • 編集:株式会社UNSHAKE 公開日:2026年9月21日 情報の確認日:2026年9月21日

農業とエネルギーで、地域の未来をつなぐ。

どんなことでもお気軽にご相談ください。一緒に、未来への一歩を踏み出しましょう。

お問い合わせはこちら