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使われていない土地は、東京23区の約4.4倍。国の調査で見る「眠っている土地」の中身

土地・相続

眠っている土地は、
めずらしくない。

もりまる

「親から引き継いだ土地があるけれど、何年も草刈りだけしている」——土地のご相談で、いちばんよく聞くお話です。ご本人は「うちだけがこんな状態なのでは」と気にされていることが多いのですが、実はそうではありません。

10月23日、不動産情報サイトの健美家(けんびや)が、国の調査をもとに「使われていない土地は、会社と個人の分を合わせて約2,737km²、東京23区の約4.4倍」とまとめた記事を出しました。10月は国が定める「土地月間」でもあります。この記事では、元になった国土交通省の調査を実際に開いて、数字の中身を地主さんの目線で整理します(数字はいずれも2023年時点の調査です)。

「23区の約4.4倍」の中身——駐車場も入っている

元になっているのは、国土交通省が5年ごとに行う「土地基本調査」(2023年実施、2025年9月30日公表)です。この調査では、使い方が低い・使っていない土地を「低・未利用地(てい・みりようち)」と呼んでいます。

低・未利用地の面積(2023年1月1日・10月1日時点)
持ち主面積と主な内訳
会社など(法人)1,060km²
空き地 571km²/駐車場 276km²/資材置場 184km²/使えない建物(廃屋など)30km²
個人(世帯)1,677km²
原野など 724km²/空き地 559km²/屋外駐車場 293km²/資材置場など

ここで大事なのは、駐車場や資材置場も「低・未利用地」に入っていることです。月極駐車場として毎月お金を生んでいる土地も含まれますから、「2,737km²がまるごと空き地」というわけではありません。健美家の記事自身も、この点を注意書きとして添えています。

田んぼ・畑・山林は、この数字に入っていません

もうひとつ、見落とされやすい点があります。個人の低・未利用地1,677km²は、国の調査で「宅地など」と呼ばれる土地の中だけで数えた数字です。

同じ調査によれば、個人が持っている土地は全部で約9.3万km²。そのうち山林が約4.99万km²、農地が約3.23万km²で、この2つだけで約9割を占めています。つまり、相続のご相談で多い「使っていない田んぼ」「手入れしていない山」は、この1,677km²には含まれていないのです。

「23区の約4.4倍」は、あくまで宅地まわりの話。田畑や山林まで含めて考えれば、使い道に困っている土地は、もっと身近にたくさんあると言えます。

もりまる
「宅地など」ってなに?
国の調査でいう「宅地など」は、家や店の敷地だけじゃなくて、駐車場や資材置場、原野・荒れ地なんかもまとめた呼び方なんだ。農地と山林は、別の数え方になっているよ。

地方ほど多く、そして長く眠っている

調査からは、使われていない土地が地方に多いこともわかります。

  • 個人の低・未利用地は、三大都市圏が356km²なのに対して、地方圏が1,315km²。地方圏が約4倍です
  • 個人が持つ「宅地など」のうち低・未利用地が占める割合は、東京圏が7.2%なのに対して、名古屋圏と地方圏は17.5%。2割近くにのぼります
  • 会社の低・未利用地1,060km²のうち、5年前から使われていなかった土地が793km²(74.8%)。そのうち443km²は「売る予定も、使い道を変える予定もない」と答えています

一度使われなくなった土地は、そのまま何年も眠り続けやすい——数字がそう示しています。会社でさえそうなのですから、遠方に住む個人の方が相続した土地なら、なおさらです。

家についても同じ傾向があります。総務省の「住宅・土地統計調査」(2023年)では、空き家は約900万戸で住宅全体の13.8%。賃貸用・売却用や別荘などを除いた、使い道の決まっていない空き家だけでも約385万戸ありました。

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「使っていない土地」と「使い道を変えれば生きる土地」は別もの

健美家の記事は、使われていない不動産と、使い道を変えれば価値が出る不動産は分けて考えるべき、と締めくくっています。私たちも現場で、まったく同じことを感じています。

同じ「空き地」でも、条件によって行き先は大きく変わります。たとえば、こんな具合です。

  • 車の通る道路沿いの空き地——お店や事業所の用地として、買いたい人が見つかることがあります
  • 住宅地に近い空き地——近くで家を建てたい方に売れることがあります
  • 広くて平らで、近くに電柱や電線が通っている原野——太陽光や蓄電池の用地として検討できる場合があります
  • 駐車場として使っている土地——いまの収入と、売る・別の使い方をした場合を比べてみる価値があります

反対に、道に接していない、急な斜面、水がつきやすい場所などは、使い道を変えるのが難しいこともあります。また、市街化調整区域(家やお店を建てることを原則おさえている区域)や農地は、使い方を変えるのに許可が必要です。どの道があるかは、場所と法律の条件しだいで、現地と役所での確認が欠かせません。

まず、手元でできること

「うちの土地はどちらなんだろう」と思ったら、売るか貸すかを決める前に、次のことから始めてみてください。

  • 名義を確かめる——相続登記がまだなら、まずそこから。2024年4月より前の相続でも、原則2027年3月31日までに申請が必要です
  • 登記の住所を確かめる——2026年4月から住所変更の登記も義務になりました(住所変更登記の記事)
  • どこに何筆あるかを確かめる——2026年2月に始まった所有不動産記録証明書で、名義人の不動産を一覧にできます
  • 場所と、まわりの様子をつかむ——地図アプリで、道路・電柱・まわりの家の様子を見ておくだけでも、相談の話が早くなります

まとめ

国の調査では、会社と個人が持つ「低・未利用地」は合わせて約2,737km²、東京23区の約4.4倍(2023年時点)。駐車場なども含む数字で、しかも田んぼ・畑・山林は入っていません。使われていない土地を持っていることは、決してめずらしいことではないのです。

大切なのは、「使っていない」で止まらずに、使い道を変えれば生きる土地かどうかを一度見てみることです。売る、貸す、そのまま持つ——どれを選ぶにしても、土地の条件を知ってから決めれば遅くありません。私たちは、農地や山林を含めた土地の買取・活用のご相談を受けています。

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出典・参考

数字は以下の国土交通省・総務省の資料と記事を2026年10月27日に確認しました。調査の時点は、法人が2023年1月1日、世帯・住宅が2023年10月1日です。

  • この記事は2026年10月時点の情報にもとづく一般的な説明です。土地の使い道は、場所・地目・区域・法令の条件によって大きく変わります。実際のご判断にあたっては、現地の確認と、市町村や専門家へのご確認をお願いします。
  • 編集:株式会社UNSHAKE 公開日:2026年10月27日 情報の確認日:2026年10月27日

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